世の中には風俗がありすぎるんじゃないかしらん??


巷に溢れる風俗に俺はめちゃくちゃ興味がある。出ちゃった。これまで風俗には行ったことがない。朝目が覚めて学校に行って、帰ってオナニーするだけのめちゃくちゃ普通の大学生が俺だ。部屋には大量のDVDが散乱してある。断じてアダルトビデオな奴じゃない。映画のDVDだ。そりゃ探せばロマンポルノはある。石井隆の赤いシリーズは結構揃ってたりする。神代辰巳のDVDもあるし。でもそれをオナニー目的には観ない。単純に映画が好きだ。トビーフーパーの悪魔のいけにえやウェスクレイブンのエルム街の悪夢やサムライミの死霊のはらわたみたいなスプラッター映画にも目がない。いや、死霊のはらわたはスラップスティックコメディホラーだった。とにかく色んなものがある。ジャンルもめちゃくちゃあるし、なんといってもどの作品を手にとってもそこに個性がある。レザーフェイスはトビーフーパーならではの個性があるし、ウェスクレイブンは悪趣味がひどい。サムライミなんてのはもう本当にアホみたいな映画ばっか撮ってるけど、面白い。キャプテンスーパーマーケットなんてホント感動的だ。映画は、ロマンス、ラブコメ、コメディ、ホラー、Jホラー、アクション、ヴァンダミングアクション、ミュージカル、ロードムービー、もホント色々あってわけわからんなあと手を焼いている。俺のDVD置き場は積み上がった未完成の塔みたいになっていて、まだまだその高さを更新する予定だ。しかし、それよりも厄介なものがあった。それはAVだ。パソコンに保存されているAVの数は留まることを知らない。HDDも何台使っているのか判らないほど大量のAVが入っているのだ。無論見返すことなど殆どない。ただ、俺の中に無数のAV女優が眠っているのだと思うことで安心を手に入れているのかもしれない。しかし、そんなのはまやかしだった。喧々諤々の議論を頭の中で開始する。
「あれだよな、AV見ても女の経験が増えてゆくわけじゃないだろ!!」
「そんなことはない。見ているやつの方が見ないやつよりも本番で落ち着いているだろ」
「そんなのどうやって確かめたんだよ?」
「嘘だけど! 確かめたってのは嘘だけど!! でも絶対そうじゃない?」
「うわーそりゃだめだよ。もっとプライド持とうよ」
「ごめん。でもそんなこと言ってもAV見るしかないじゃないか!」
「うわーそこ言っちゃダメでしょ!! ぶちのめすぞ!」
「ひえー。AV依存はお互い様じゃないか」
不毛だった。ずっとこんな議論を続けなくちゃならないのかと思うと気が滅入ってしまって負の感情がドッと沸き出る。そんな時にひらめき担当の俺がひらめく。
「なあ、風俗行けばいいんじゃないか?」
全員が驚いた。といっても1人なんだけど。凄い画期的なアイデアじゃないか。皆が賛成し、家にあるDVDとHDDを全てゴミにだして、それはもう本当に泣きまくったけど決心は着いた。家にあったDVDは一度全部見たやつだ。家にあったHDDの中のAVは全部一度見たやつだ。そう言い聞かせて俺の中の全てのベクトルが風俗一直線だった。でも、俺は風俗に関して全くの素人で、それは素人ハメ撮りモノをやらせたら相当なもんになるぐらいの素人で、果たして風俗にはどんだけ種類があるのかもわからないのだ。しかし、今の時代、風俗の教科書はなくてもインターネットがある。インターネットに繋がればオアシスのように俺が求めている風俗の情報が掴めるだろう。俺はめちゃくちゃオナニーしたいのを抑えて風俗を調べることにした。インターネットなんてAV調べるぐらいしか使った事がなかったが、暇な連中が色々風俗のことに関してサイトを作っていて、何か超楽ちんに風俗入門出来た。最初に調べたのはソープだけど、そのソープにもランクみたいな感じで超高級店、大衆店、激安店みたいな区分があることを知って、しかも激安店の中にはマットプレイがないところもあるのだとか。ええー!! ソープってマットするための所じゃないのっていう驚きと共に、ソープすら行ったことのない自分と自分のチンポコにすごい嫌悪感を覚えた。次に調べたファッションヘルスぐらいが丁度平均的な風俗なのだろうけどシックスナインが最大のポイントだとちょっとやっぱり個性が足りないかなあって思う。スマタって気持ちいいのだろうか、AVで見る限りはあんな楽しそうな焦らしはねえと思ってたけど、基本風俗って挿入なしだろうし、ソープは別にしても、なんかスマタってご褒美なしの拷問みたいにも思えてきた。でもいっちゃったら満足しちゃうだろうし、オナニーとは比べ物にならない快感があるのだろう。女の子の耳をペロペロ出来たらもう行った意味があるのかもしれない。でもなんか惹かれないのはなんでだろう。そんで次がピンサロ。これがコストパフォーマンス高そうでいいな。どうにかシックスナインも出来そうだし、口内発射だけど値段が低い分、いっぱいいけるってメリットがある。はずれを引いてもまあよしとするかって気分になるかもしれないし、ファッションヘルスよりいいかもなあ。でも衛生面考えるとやっぱりファッションヘルスとかのがいいのかな。そこらへんはどうなっているんだろう。安いってことはちょっとそういうリスク背負ってるようなところもあるなあ。例えば超高級ソープで病気移されちゃうようなことってあんのかね。次の日起きたら毒毒モンスターみたいになっちゃいましたじゃ、金の無駄どうこうの話じゃなくなっちゃうからな。そうなるとやっぱり変に安い店に行くよりも男らしくびしっと万札ぽんぽん使っちゃわないといけないかもな。ということで結局ピンサロもなんか惹かれないなあ。次に発見したのがオナクラだけど、これ頑張って手コキなのか。これだと名前通りオナニーの枠から出ないので、俺が捨てたAV達に悪い。そう、俺はAVを背負っているんだ。あいつらに顔向けできるような風俗体験をしなくちゃいけないんだ。オナクラ却下! 語呂がいいぞ、オナクラ却下! で次に目を付けたのがデリヘル。自宅に呼ぶことも出来る風俗で、交渉次第じゃ本番もできそうだ。しかし、自宅はよくないな。自宅で射精するってのは結局オナニーと一緒なんだ。新鮮な場所でしなきゃ意味がない。じゃあラブホになるのか。プレイ代+ホテル代になるわけか。あと交通費もかかる場合があんのか。なんか面倒だな。悪くないけどなんかな。何を選り好みしているのだと第三者からは思われるかもしれないが、最初だから念いりに調査を進めなくちゃならんのだ。それはどの世界も一緒だ。ワインを飲みたいと思ってテキトーにコンビニのワインを飲んじゃうより、ワイン屋さんに行って、初めてワイン飲むんですけどどれがおすすめですか? って訊いてしっかりと試飲して説明聞いての一本じゃまるで違ってくるわけだ。ワインてこんな不味いものだったのー! ってコンビニワインで思っているならそれは馬鹿だ。例えばカレーだって種類がいっぱいある。本場のインドカレーは無理だけど家カレーは三食食べたいって人だっている。ワインにはこれなんだろって感じでチーズ食べてみたけど微妙って奴もそうだ。ご飯の人もいるし、パンの人もいるしナンの人もいるんだよ。それと風俗は一緒だ。俺が果たしてどんな風俗に向いているのか、好みなのか、それを考えなくして風俗童貞は捨てられない。だから本当はこうやって選り好みするのもよくないんじゃねえの? そうだったー! 何を行く前からあれはいやだなあ、これはちょっとなあって子どもじゃないんだから胸張ってテイスティングしてこいよ! ってそれもちょっと違う。初めてを決めているんだからテイスティングが俺の風俗童貞奪っちゃうってことじゃん!! それだめじゃね!! だけど! だけど、風俗の種類ぐらいちゃんと調べてから行きたいじゃん! その話をしてんだよひっこめ! そんな感じでやっぱり慎重に最初の風俗を決めてゆく。ホテヘルはデリヘルと何が違うのか、事務所があるかどうからしい。写真を見て決めれるかどうかで、なるほどちょっと違ってくるな確かに。プレイ的に云えば、ピンサロは軽め、ホテヘルデリヘルファッションヘルスは全部一緒ぐらいの普通プレイと見ていいだろう。やっぱりソープは魅力的だが手が出ないかもしれない。後はイメクラってのがあるらしい。コスプレしてくれるのが一般的で手枷とか目隠しもいいのだという。手枷はしたいけど目隠しはちょっとなあ。どっちかっていうと俺がされたいなあ。でもちょっと特殊な方が好みかもしれないな。痴漢とか夜這いとか中々わるくないと思う。でもなんかもっと大胆な特殊性が欲しい。次は性感で、これはエロいと思う。受け身ってのもいいし、お姉さん感がグレートだと思う。ただちょっと間違えるといかがわしいアジア系の雰囲気出ちゃいそうで、そうではなくしっとりとした質感の風俗だったらいいんんだけどね。でもやっぱり責めたいのかもしれない。いや、お前はM男だろ。という葛藤が生まれてこれまたエロい。これはヒットかもしれない。行ったこともないのに俺はそそられている。次は風俗エステで、これはもう達観している人間の行くところだと思うから俺は多分行かないだろう。SMクラブはもっとだめだ。やっぱり積極的にさわりたいので、ぼこぼこにされて快感が出ると言うよりはちょっとの意地悪がベター。ということであんまり乗り気にはなれない。中途半端なM男で悪いとは思う。後はニューハーフヘルスか。チンポコついてる女を相手にして果たしてチンポコ勃つのか疑問だ。その場に行って、いざって感じでチンポコデロンて出てきて、固まってしまったらどうしよう。沈黙が続いてその場の空気が氷結してしまったら、それは絶対俺が悪い。最初からそんな風俗行ってしまったらたぶんトラウマになる。とんでもない経験だけしかできなくて風俗即引退じゃ俺は悲しいよ。じゃあ、結局どこに行こうかって話で、栄えある第一回目の風俗体験は性感に決まった。一番エロそうだったからだ。ということで意を決して電話するとどの子を指名したいとかありますか? って訊かれたので、俺は事前に調べておいて一番顔立ちが良さそうで胸が大きい女の子を指名した。すると、ホテルに直接来るタイプと待ち合わせするタイプがあるのですがどちらにしますかってことだったので、ホテルは逃げ場がないので待ち合わせにしますと伝えた。さあ、時間は迫ってくるもので、もうそろそろ待ちに待った風俗体験タイムだ。金で女を買うなんて許されるのかって糞みたいな倫理観を踏みつけながら風呂に入ったり、髭をそったり、歯を念いりに磨いたり、その後でむちゃくちゃガム噛んだりと大忙しで、超ぎりぎりになってしまった。待ち合わせ場所は駅とかじゃなくて人通りの少ないコンビニの前で、遠目からそれらしき女が見えた。近づくと、やっぱり女の子は俺が指名した女の子だったっぽくって、緊張はしていなさそうだったけど少し不安げにコンビニの前で立っていた。俺は一度女の子を素通りしてコンビニでミンティア買って頬張る。もうかつてない程のミント感が俺を包む。コンビニ店を出て女の子に話しかける。
「あのー、それがこうしてどうしてあれですかね?」
「あーはいはい、それがどうしてこうしてあれなわたしです」
と間違いなかったようで、そのまま軽くワルツを踊る俺と彼女。名前はちづる。ワルツを踊るとすっかり打ち解けて今までの緊張感はどこか違う空間へ運ばれた。すっかり仲良くなってしまったので、その感じでホテルに入る。すると違う空間に運ばれたはずの緊張感は、実は先にホテルに移動していただけで、俺のハツはダブステップ。
「緊張してるんだ」
と笑われる俺。緊張なんかしていないとはもう言えなかった。膝はかすかに震えていたし、関節は動く度に崩れそうな感覚でボキバキ鳴ってしまう。ゲラゲラ笑う彼女。しかしこいつは風俗嬢だ。ちょっと視点を変えれば彼女にも見えるが、こいつを金で買ったのが俺だ。俺は最低な奴だし、買ったところでこの緊張でなんにもできないまま時間は過ぎるのだろうか。そんなことなかった。緊張した俺を風呂に入らせ、彼女は慣れた手つきで俺をマッサージ、チンポコと彼女の唇は一体化し精液はビュンと彼女の口内へ発射された。そして彼女はずっと微笑んでいて、俺がチンポコを彼女の根元にぐいっと突っ込んだ時も苦しそうにしながら笑っていたのだった。そんな顔が射精に近づけてくれたのだ。口内発射も悪くない、と俺は思っていた。
たしか先日、西日暮里風俗へ行ったときにそう思った。